零式艦戦

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少し前に零戦を作りました。制作の様子を振り返っていきます。

 

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早速ですが拙作の歴代零戦です。左端の大きめのは2015年制作、真ん中のは2019年5月制作、右端が最新作になります。

2015年の零戦は稚拙で目も当てられない出来なので今回は触れず、真ん中から振り返ります。

 

 

JBF2019版

2019年6月8日にアジア最大のレゴイベント「Japan Brick Fest 2019」が行われ、私はミリタリー合同卓(ミリ卓)の一員として参加しました。ミリ卓では毎年テーマを設定して展示を行っており、今年のテーマは「空」でした。空。

 

ヒコーキのMOCなんてひとつも持っていません。大昔LDD上で何度か設計しただけです。困った。ということで早速設計に取り掛かりました。

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はじめから実制作を念頭に置いて接続箇所は多めに。フィグスケ空母をいずれ作りたいと思っている以上、機体は小さいに越したことはありません。どの機体を作るかは未定ですが最小構成のコックピットを作れば流用が効きます。幅2のプレートにミニフィグを載せて、側面にプレートを貼っていきます。そんな中、ふとウェッジプレートを貼ったことであることに気づきます。

 

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パーツの分け目が零戦52型の塗装分けにそっくり!

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ウェッジプレートをダークグリーンにすれば中島製の零戦52型のできあがりです。これに気づいた以上、零戦52型以外に何を作るべきだというのでしょうか。零戦なんて飽きるほど見てきました。頭の中で自在に3Dモデルを生成できるほどです。そのイメージに近づくようどんどん組んでいきます。

 

私はフィグスケのレシプロ戦闘機を設計するにあたり「風防の側面にも窓もつける」ことにこだわっていました。

フィグスケレシプロ戦闘機の風防表現はおおまかに3通りあります。

・バーで風防の枠のみを表現

・既存の窓パーツで前面,上面,後面を再現

・透明ポチスロやタイルを使って表現

それぞれの欠点は 窓の反射が無い、側面がスカスカ、フィグが乗れない、だと思っています。そんな中、画期的な風防表現を思いつきます。

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着目したのはヒンジ付ウインドスクリーンです。廃盤パーツですがとても薄く、さらに微妙な角度も受けられます。零戦などの風防を正面から見ると台形をしています。この台形の脚にあたる部分の傾きをこのパーツなら表現できます!

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ということで自分のこだわりを詰め込んで完成した零戦52型がこれです。

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まったく似てません。色合いで零戦と認識できますがシルエットがくそくそのくそです。更に実制作ではフィグは腕モギ。なにこれ。

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(写真:ぬぬつきさん JBFにて)

他の方のかっこいい 作品と並べるのが恥ずかしい……。

 

 

改良版

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(チケさん作の飛燕 写真:えもりんさん JBFにて)

JBFでとてもインスパイアされたチケさん(@sota1138)の飛燕。造形が美しい上に五体満足のフィグが乗ってます。酷い出来の零戦をスケールそのままに、このレベルの美しさを目指したく思います。

 

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チケさんの飛燕を参考にコックピットを設計します。ヘッドライトパーツ、両面スタッドヒンジパーツ(ランプパーツ)、中央スタッドパーツ(ジャンパーパーツ)を駆使して1/4プレート厚単位の微調整を繰り返します。ミニフィグの肩の外側を傾けたプレートで覆うのはチケさんの飛燕を参考にしたテクニック。

 

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そして出来上がったミニマムなコックピット。腕モギでないのに前作より格段に美しくなっています。

 

さて、前作設計時の問題点は脳内イメージに頼りすぎたことだと思います。そこで今回は可能な限り図面と一致させることを目指します。飛行機の再現はとてもシビアで、少しの違いで似なくなります。ならば図面に合わせればよいのです。図面通りのモデルが似ないはずありません。

 

残念ながら図面と合わせてる画像は見つからなかったので飛燕の時の様子を貼っておきます。

 

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水平尾翼の形に悩む

 

LDDで少し組んではフォトショップで図面を合成して比較して、ズレてるところをまた訂正して……。そうして改良版零戦が完成しました。

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ミニフィグがヒトに比べかなり肥満気味なので少し太くなるのは仕方ありません。けれども全長、翼の形、角度、翼位置は完璧です。チケさんからのアドバイスを活かして主翼の前辺をヒンジで傾けたりしました。たしかに有効な手です。水平尾翼に角度をつける接続方法はクロックさんのコルセアのを参考にさせていただきました。

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前作を踏襲して52型の機体後部には大型ウェッジプレートを貼っています。濃緑塗装も難なく再現できます。

 

 

熊本レゴオフ用に実制作

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翼端折りたたみ機構も搭載。

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全てが図面通りというわけではなく、零戦の特徴的なパーツと思う箇所は図面よりオーバーに表現しています。水平尾翼後端がなめらかにつながっていく様をどうしても強調したかったので1/4ドーナツタイルを利用して丸くしたりしました。

 

この21型を熊本レゴオフに持ち込んだところ、チケさんに「フラップつけろ」と強く勧められたので追加しました。

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たしかに良い。

 

LDDデータが欲しい方はツイッターのDMに連絡していただければお渡しします。